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投球数がメジャーリーグ投手のパフォーマンスに与える影響

photo by Ian Ransley



オーバーユースが投手に悪影響を与えると考えられていますが、投球数・休養日数が投手のパフォーマンスや障害発生率に与える影響に関しては明らかになっていません。そこで、Bradbury et al. は、投球数・休養日数が投手のパフォーマンスに与える影響の調査を目的とした研究を実施しました。オープンアクセスのウェブサイト(Baseball-Reference.com)を用いて、1988年から2009年のメジャーリーグ先発投手における、投球数・休養日数の即時的・累積的な影響を調査しました。

本研究の主要な知見は以下の通りです。
・投球数が増加すると次の試合の防御率が高くなる(過去1試合:防御率0.007増大、過去5試合:防御率0.014増大、過去10試合:防御率0.022増大)
・投球数が増加すると次の試合の被本塁打率が高くなる
・若年投手と比較して高齢の投手は投球数増加による影響を受けやすい
・休養日数はパフォーマンスにほとんど影響しない

〔Bradbury 2012, J Strength Cond Res: The impact of pitch counts and days of rest on performance among major-league baseball pitchers.〕
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22344048


本研究結果によれば、投球数が増加すると、次の試合の防御率や被本塁打率が高くなる可能性があり、高齢の投手ほどこの影響を受けやすいという可能性が示されました。その一方で、休養日数がパフォーマンスに影響しない、という興味深い結果が得られました。注意すべき点は、およそ20年間の投手のデータであり、大きいサンプルサイズによって、現時的にはあまり意味のない小さな差を生じてしまう可能性がある、ということです。「防御率0.007~0.022増大」がどれほど意味があるか、この点について考える必要があります。また、本研究の対象はメジャーリーグ先発投手のため、中継ぎや抑え投手ではどうか、他のレベル(小学生、中学生、高校生、…)ではどのような関係があるか、に関しては解答を得ることができません。

今回は主として即時的な影響に関する報告でしたが、投球数が長期的なパフォーマンスに与える影響はどの程度あるのでしょうか、あるいは、全く影響ないのでしょうか。具体的には、高校時代に甲子園で連投することが、プロ野球での成績や投手生命に影響するのでしょうか?また、本研究は投球数とパフォーマンスの関係を調査した研究でしたが、投球数と肩・肘障害の関係はどうなのでしょうか?投球数とパフォーマンス、肩・肘障害の関係について、もっと考えを深めて行きたいと思います。


野球 4376222983953365999

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