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鏡視下腱板修復術後リハビリテーションの科学的根拠

腱板損傷は肩関節痛の主要因であり、筋力低下や肩甲上腕関節キネマティクス変化を招きます。治療の第1選択は保存療法とされておりますが、手術が必要になることも多くあります。治療を成功させるためには正確な手術が不可欠ですが、それだけでなく、手術後のリハビリテーションも重要です。今回は、2012年にInternational Journal of Sports Physical Therapyより公表された臨床ガイドライン(REHABILITATION AFTER ARTHROSCOPIC ROTATOR CUFF REPAIR: CURRENT CONCEPTS REVIEW AND EVIDENCE-BASED GUIDELINES)より、腱板修復術後のリハビリテーションに関連する科学的根拠を抽出し、現時点で分かっていること、分かっていないことを簡単に整理しました。


解剖&バイオメカニクス

腱板構造

  • 腱板は5層から構成される (Clark 1992)
  • 上腕骨側で関節包、関節上腕靭帯、烏口上腕靱帯と合流する (Dugas 2002, Ruotolo 2004, Mochizuki 2008)

腱板機能

  • 肩甲下筋、小円筋は腱板損傷後の上腕骨頭上方偏位を防ぐ (Halder 2001)
  • 100 N/mmの引張強度に耐えられるが、圧迫・せん断負荷への耐性は小さい (Reilly 2003)
  • 肩峰下滑液包は神経線維が豊富であり、同部位の炎症によって腱板の疼痛抑制が生じる (Ide 1996)

腱の治癒力

腱板修復術後の腱の治癒過程は炎症期、修復期、リモデリング期に分けられる (Gulotta 2009)

炎症期(術後1週)

  • 炎症細胞、血小板、線維芽細胞が修復部位に移動する

修復期(術後2-3週)

  • 炎症細胞、血小板、線維芽細胞が急速に増殖する
  • 成長因子や細胞増殖やマトリックス沈着は成長因子によって促進され、タイプⅢコラーゲンを産出する (Carpenter 1998)

リモデリング期(術後3-4週)

  • 細胞外マトリックスの代謝回転を通じて瘢痕組織が形成される
  • 成熟した瘢痕が形成されるまで、タイプⅢコラーゲンはゆっくりとタイプⅠコラーゲンに置換される (Carpenter 1998)
  • リモデリングされた修復組織は最短でも術後12-16週しないと最大の引張強度に達しない (Carpentar 1998, Lewis 2001)
  • リモデリング期においても正常な腱-骨構造は再形成されていない (Carpenter 1998, Cohen 2006, Galatz 2006) 

術後治療法の科学的根拠


Immobilization

  • 術後の可動域制限は最もよくみられる合併症であり、固定の延長によってその可能性が高まる (Severud 2003, Brislin 2006, Tauro 2006, Koo 2010)
  • 動物実験で術後の固定が修復腱板に対する張力を最小化し、コラーゲンの粘弾性を向上させる可能性が示唆された (Gerber 1999, Thomopoulos 2003)
  • 最適な固定期間に関しては意見が対立している
  • 長期固定は術後の可動域制限と関係しない可能性がある (Parsons 2010)
  • 動物実験において、少なくとも2週の術後固定では可動域制限が少ない (Gimbel 2007, Peltz 2009)
  • 他動運動は肩峰下スペースでの瘢痕形成を招き、可動域制限が生じる可能性がある (Peltz 2009)
  • 外転位固定は血管新生を向上し、修復腱板に対する張力を最小化する可能性がある (Rathbun 1970)

Cryotherapy

  • 寒冷療法は疼痛・腫脹・筋スパズムの減少、炎症反応の最小化目的で用いられる
  • 肩関節術後24時間での疼痛減少、睡眠薬服用の減少をもたらす (Speer 1996)
  • 肩関節術後の痛みを和らげ、睡眠が向上する (Singh 2001, Osbahr 2002)
  • 圧迫は寒冷療法の効果を向上させる可能性がある (Capps 2009)
  • 術後10-14日は、自宅での寒冷療法を推奨する

Joint Mobilization

  • 関節モビライゼーションは可動域改善に用いられる
  • 肩甲骨面30°外転位におけるglenohumeral distraction、anterior/posterior translational glidesは修復された棘上筋腱にストレスを与えない (Muraki 2007)
  • posterior translational glidesは拘縮肩の外旋可動域を増大させる (Johnson 2007)
  • グレードの低いグライドはリハビリテーションの初期に疼痛やガーディング軽減目的で用いることができる
  • 術後4-6週経過すれば外転位、外旋位で高いグレードのモビライゼーションも実施できる

ガイドラインの限界と今後の課題


論文中では、この科学的根拠の後にエビデンスに基づくリハビリテーションガイドラインが紹介されています。著者らの考えるconservative protocolおよびmoderate protocolも紹介されており、我々がプロトコルを作成し、発展させていく上で参考になります。しかし、リハビリテーション進行のタイミングに関わる研究が欠落しており、ガイドラインは科学的な背景というよりも専門家の意見や臨床経験に基づいているのが現状です。

術後の特定の期間で何を達成するべきか?何を基準にリハビリテーションを次の段階に進めていくのか?現時点で得られた科学的知見と臨床的感覚をもとに仮説を立て、検証し、リハビリテーションプロトコルをよりよいものに発展させていきたいと思います。
腱板損傷 6572418838753293215

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